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従業員が結婚・出産したら?社会保険の手続きと期限

おめでたい報告の裏で、会社が速やかにやるべき届け出をまとめました。

結婚時は「氏名・住所の変更」確認と、条件を満たせば5日以内に「被扶養者(異動)届」を提出します。出産・育休時はお子さんの扶養追加に加え、会社と本人の社会保険料が免除になる「産前産後休業・育児休業等取得者申出書」の提出が最重要です。提出漏れにご注意ください。

こんにちは。アプト社会保険労務士事務所の氏家です。
「従業員が結婚することになりました!」「今度子どもが生まれるそうです」——会社にとっても、本当に嬉しいご報告ですよね。
でも、お祝いの気持ちと一緒に「手続き、何からやればいいんだっけ?」と少し焦ってしまう社長さんや担当者さんも多いのではないでしょうか。今日はおめでたいライフイベントのときに、会社が忘れてはいけない社会保険の手続きを順番に整理していきますね。

結婚したとき、まず確認する3つのこと

従業員さんから報告を受けたら、「氏名が変わるか」「住所が変わるか」「配偶者を社会保険の扶養に入れるか」の3点をまずヒアリングします。

結婚の報告を受けたら、お祝いの言葉とともに、今後の手続きに必要な情報を確認しましょう。具体的には以下の3つです。

  1. 氏名が変わるか:現在はマイナンバーと基礎年金番号が紐付いているため、原則として年金事務所への「氏名変更届」は省略できます。ただし、会社内での給与振込口座の名義変更や、雇用保険の氏名変更などは別途必要になるので、確認は必須です。
  2. 住所が変わるか:新居への引っ越しに伴い、通勤経路が変わる方も多いですよね。通勤手当の変更手続きとセットで確認してください。
  3. 配偶者を社会保険の扶養に入れるか:ここが一番の手続きの分かれ目です。共働きでそれぞれ社会保険に加入している場合は不要ですが、そうでない場合は次のステップに進みます。

配偶者を扶養に入れる手続きと条件は?

配偶者の年収が130万円未満などの条件を満たす場合、事実発生から5日以内に「被扶養者(異動)届」を年金事務所へ提出します。

従業員さんの配偶者を健康保険の扶養に入れるためには、収入の壁をクリアしている必要があります。

扶養に入れる主な条件(収入要件)

原則として、配偶者の年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)であり、かつ、被保険者(従業員本人)の年間収入の2分の1未満であること。

条件を満たす場合は、事実発生日(結婚した日や、配偶者が退職した日など)から5日以内に「被扶養者(異動)届」を提出します。同時に、国民年金の「第3号被保険者関係届」もセットで提出することになります。

5日以内というとあっという間ですよね。添付書類として、配偶者の退職証明書や収入がわかる書類が必要になるケースも多いため、早めに従業員さんに案内してあげてくださいね。

従業員が出産・育休をとるときの社会保険

お子さんが生まれたら、まずは「被扶養者(異動)届」を出して健康保険証を作ります。これがすべてのスタートです。

従業員さんに赤ちゃんが生まれたら、何よりも優先したいのがお子さんの健康保険証の作成です。

赤ちゃんは生まれてすぐに医療機関にかかることもありますし、乳幼児医療費助成の手続きにも健康保険証が必要になります。配偶者のときと同じく、誕生から5日以内に「被扶養者(異動)届」を急いで提出しましょう。

また、女性従業員が出産のために休業する場合は「出産手当金」、男女問わず育児休業を取得する場合は雇用保険から「育児休業給付金」などの申請も必要になりますが、社会保険の手続きとして忘れてはいけないのが、次にご説明する「保険料の免除」です。

会社も助かる「保険料の免除」手続き

産前産後休業と育児休業の期間中は、申し出により「会社負担分・本人負担分ともに」社会保険料が免除されます。

休業中はお給料が出ない(または減る)ため、社会保険料の支払いは大きな負担になりますよね。そこで、年金事務所へ申出書を提出することで、休業期間中の社会保険料が免除される仕組みがあります。

休業の種類提出する書類提出のタイミング
産前産後休業産前産後休業取得者申出書休業期間中(産前休業開始から産後休業終了の1か月前まで)
育児休業等育児休業等取得者申出書育休期間中(または育休終了後の一定期間内)

この制度のすごいところは、会社負担分の保険料も免除になること。そして免除期間中も、将来の年金額を計算するときには「保険料を支払ったもの」として扱ってくれるんです。会社にとっても従業員にとっても非常にメリットが大きいので、絶対に忘れずに手続きしてくださいね。

小規模法人がつまずくポイントは?

被扶養者届の「5日以内」という期限の短さと、男性従業員が育休を取ったときの免除手続き漏れによくつまずきます。

男性の育休でも免除になることを見落とす
最近は男性従業員が数週間〜数か月の育休を取るケースも増えました。「女性の産休・育休のときは免除手続きをしていたけれど、男性の短い育休でも免除になるの?」と驚かれることがあります。要件を満たせば男性の育休でも保険料は免除されます。漏れがないように気をつけてください。

復職時の手続き(免除の終了)を忘れる
育休が終わって復職したときに、社会保険料の控除を再開するのを忘れてしまうケースです。給与計算ソフトの設定を戻し忘れると、後から数か月分の保険料をまとめて従業員さんに請求することになってしまいます。

今日やることチェックリスト

従業員さんからの報告は、口頭ではなく社内の「身上異動届」などのフォーマットで受け取るルールにしておくと安心です。

  • 社内に「結婚・出産時のヒアリングシート(身上異動届)」があるか確認する
  • 住所変更がある場合、通勤手当の変更時期と★月額変更届(随時改定)の3つの条件の記事URL★の対象にならないかチェックする
  • 扶養追加がある場合、事実発生から「5日以内」に提出できるようスケジュールを組む
  • 産休・育休に入る予定の従業員がいる場合、免除申出書の提出時期をカレンダーに登録する
  • ⚠️ 法令の要件や期限は最新の情報を日本年金機構のサイト等で確認する

よくある質問

マイナンバーが紐付いていれば、氏名変更は本当に会社から何もしなくていいですか?

年金事務所への健康保険・厚生年金保険の氏名変更届は原則不要です。ただし、雇用保険の氏名変更手続きや、社内の給与振込口座の名義変更、労働者名簿の更新などは別途必要ですので、社内での対応は忘れずに行ってください。

被扶養者届の「5日以内」に間に合わないとどうなりますか?

配偶者の退職証明書などの添付書類がすぐに揃わず、5日を過ぎてしまうことは実務上よくあります。遅れても受理はされますが、お子さんの保険証の発行がその分遅れてしまうため、急ぎの場合は先に年金事務所へご相談されることをおすすめします。

男性の従業員が月末をまたいで2週間の育休を取ります。保険料は免除されますか?

その月の月末時点で育児休業を取得している場合、または同月内に14日以上の育児休業を取得している場合(令和4年10月改正)は、その月の保険料が免除の対象になります。忘れずに申出書を出しましょう。

育休明けに時短勤務になり、給与が下がります。保険料はどうなりますか?

「育児休業等終了時改定」という仕組みがあります。通常の随時改定(2等級以上の差が必要)とは異なり、ご本人の申出があれば1等級の差でも下がった給与に合わせて保険料をすぐに見直すことができます。

まとめ:会社のサポートで、従業員さんの安心を

結婚・出産時の手続きは種類が多くて大変ですが、「扶養の追加」と「休業中の保険料免除」の2本柱をしっかり押さえれば大丈夫です。

ライフイベントのときは、従業員さんご本人も「市役所の手続き」「病院の手続き」とやることが山積みでパニックになりがちです。そんなとき、会社から「社会保険の手続きはこういう段取りで進めるから安心してね」と声をかけてもらえると、本当に心強いものなんです。

一つずつ丁寧に確認していけば大丈夫です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

複雑な手続き、お手伝いします

「このケースは扶養に入れられる?」「育休の免除手続き、どう書けばいいかわからない…」——そんなときは、おひとりで悩まずにご相談くださいね。従業員さんの大切なライフイベントの手続きはアプト社会保険労務士事務所がしっかりサポートします。お問い合わせ

出典・参考(一次情報)

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※本記事は2026年10月12日時点の法令・公表情報に基づいています。個別の判断は専門家にご確認ください。

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