従業員1〜30名の法人向け
有休の年5日取得義務とは?対象者と小規模法人がつまずくポイント
パートや管理職も対象?正しい時季指定と有給休暇管理簿の運用ルールANNUAL PAID LEAVE OBLIGATION
会社は、年10日以上の有給休暇が付与されるすべての労働者に対し、付与日から1年以内に年5日の有休を取得させる義務があります。対象には条件を満たすパートタイム労働者や管理監督者も含まれます。本人が自ら取得した日数は5日から差し引かれますが、届かない場合は会社が日を指定(時季指定)して休ませる必要があります。
こんにちは。アプト社会保険労務士事務所の社会保険労務士、氏家です。
「うちの社員、忙しいと言って全然有休を取らないんだけど…」——顧問先の社長さんから、本当によくいただくご相談です。頑張ってくれるのはありがたいものの、会社としては法違反にならないか心配になりますよね。
労働基準法では、年次有給休暇の年5日取得が会社の義務になっています。今日は、小規模法人が見落としがちなポイントを中心に、分かりやすく解説しますね。
- 年次有給休暇の「年5日取得義務」とは?誰が対象?
- 会社が勝手に日を決めて休ませてもいいの?
- パートやアルバイトも対象になる?
- 半休(半日単位)や時間休は、5日にカウントできる?
- 小規模法人がつまずくポイントは?
- 今日やることチェックリスト
- よくある質問
年次有給休暇の「年5日取得義務」とは?誰が対象?
有給休暇が「年10日以上」付与されるすべての労働者が対象です。正社員はもちろん、条件を満たしたパートタイム労働者や、管理監督者も含まれます。
2019年4月の労働基準法改正により、会社は対象の従業員に対して、有休を付与した日(基準日)から1年以内に、必ず5日を取得させなければならないという義務ができました。
「有給休暇は本人が申請して取るもの」という原則は変わりませんが、本人の申請任せにしていて1年間に5日休めなかった場合、会社が法律違反に問われてしまいます。だからこそ、会社側がしっかりと取得状況を管理し、休んでいない人には声をかけて休ませる仕組みが必要なんです。
会社が勝手に日を決めて休ませてもいいの?
労働者の意見を聴いたうえで、会社が日を指定する(時季指定する)ことができます。ただし、従業員が自分で取った日数は5日から差し引きます。
基本的には、従業員が「この日に休みたい」と希望した日に休ませるのが原則です。もし、従業員が自発的に3日の有休を取ったなら、会社が休ませる義務の残りは「あと2日」になります。
それでもどうしても取得日数が5日に届きそうにない場合は、会社から「この日に休んでください」と指定して休ませる必要があります。これを時季指定(じきしてい)と呼びます。その際は、一方的に押し付けるのではなく、必ず本人の希望する日をヒアリングして、できるだけ希望に沿うように日を決めてくださいね。
パートやアルバイトも対象になる?
週の所定労働日数などが多く、比例付与などで「年10日以上」有休が付与されるパートやアルバイトは、年5日取得義務の対象になります。
正社員でなくても、例えば週4日勤務の方なら、勤続年数が3年半になればその年に「年10日」の有休が付与されます。週3日勤務の方でも、勤続年数が5年半になれば年10日付与されます。
付与された日数が10日になった瞬間から、そのパートさんも「年5日の取得義務」の対象になるんです。「パートだから対象外だろう」と思い込んでいると、取得漏れが発生してしまうので、注意してくださいね。
半休(半日単位)や時間休は、5日にカウントできる?
半休(半日単位)は、労使協定がなくても0.5日分として5日にカウントできます。しかし、時間休(時間単位の有休)は5日分にカウントできません。
午前休や午後休といった「半日単位」の取得は、年5日のうちの0.5日としてカウントして大丈夫です。通院や役所の手続きなどで半休を取る従業員さんも多いですよね。
一方、1時間単位で細かく取れる「時間休」の制度を導入している会社さんもありますが、時間休を何時間積み重ねても、義務である「5日」にはカウントされません。ここも間違えやすいポイントなので、有休の消化日数を計算するときは、時間休を除外して数えてください。
小規模法人がつまずくポイントは?
よくあるのは、管理監督者(店長など)の取得漏れ、パートの付与日数の確認漏れ、有給休暇管理簿を作っていない、の3つです。
管理監督者(店長・工場長など)の取得漏れ
残業代の支払い対象外となる管理監督者であっても、有休の取得義務は対象です。「店長は忙しくて休めないから」と放置していると、法違反になってしまいます。会社のリーダーこそ、率先して休む環境づくりが大切です。
パートタイム労働者の付与日数の確認漏れ
勤続年数が長くなり、いつの間にか10日付与されていたパートさんを見落としてしまうケースです。毎年、誰に何日付与されるのか、名簿でしっかり確認しておきましょう。
「有給休暇管理簿」を作っていない
有休を与えた日(基準日)、取得した日、残日数を記録する帳簿を作ることは、法律で義務付けられています(当分の間、3年間の保存義務)。これがないと、誰が何日取ったか正確に把握できず、気づけば期限が過ぎていた…という事態になりかねません。
今日やることチェックリスト
まずは、直近で有休が10日以上付与された従業員(パートを含む)のリストアップと、管理簿の確認から始めましょう。
こんにちは、apt_SC_consultant さん
- 直近で有休が10日以上付与された従業員(パート含む)をリストアップする
- それぞれの従業員の有休付与日(基準日)を確認する
- 付与日から半年経った時点で、取得日数が少ない人に声かけ・ヒアリングをする
- 有給休暇管理

