従業員1〜30名の法人向け
パートの有給は何日?週の日数で決まる「比例付与」の数え方
週3日・シフト制のパートさんの有給日数を、早見表ひとつで判断できるようにPAID LEAVE FOR PART-TIME WORKERS
パートさんにも、入社6か月・出勤率8割以上で有給休暇が発生します。週の所定労働時間が30時間以上なら正社員と同じ日数、30時間未満かつ週4日以下(年216日以下)なら、週の所定労働日数と勤続年数に応じた「比例付与」の日数です。年10日以上付与される方は、年5日の取得義務の対象にもなります。
こんにちは。アプト社会保険労務士事務所の氏家です。
「週3日のパートさんにも有給ってあるんですか? あるなら何日?」——顧問先の社長さんから、本当によくいただくご質問です。正社員と同じ10日なのか、半分なのか、迷いますよね。答えは「法律で決まった表があって、そこに当てはめるだけ」。今日は、その表の読み方とシフト制の数え方、年5日の取得義務まで、順番に見ていきますね。
- パートさんにも有給休暇はある?
- パートの有給は何日?比例付与の早見表
- シフト制で週の日数がバラバラなときはどう数える?
- 年5日の取得義務はパートさんにもかかる?
- 有給を取った日のお給料はいくら払う?
- 今日やることチェックリスト
- よくある質問
パートさんにも有給休暇はある?
あります。雇い入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すれば、パート・アルバイトでも有給休暇が発生します。
有給休暇は「正社員だけの特典」ではありません。労働基準法で決まった、働く人みんなの権利です。パート、アルバイト、契約社員といった呼び方は関係なく、要件は次の2つだけです。
- 雇い入れの日から6か月間、継続して勤務している
- その6か月間の全労働日の8割以上出勤している
「全労働日」とは、その人の契約上の出勤日のこと。週3日契約なら、週3日の出勤日のうち8割以上来ていれば大丈夫です。その後は1年ごとに、同じく8割以上の出勤を条件に、新しい日数が付与されます。
「うちは小さい会社だから」「本人から何も言われないから」は、付与しない理由にはなりません。従業員さんが1人だけでも、有給はきちんと発生するんです。
パートの有給は何日?比例付与の早見表
週30時間以上なら正社員と同じ日数です。30時間未満かつ週4日以下なら、週の所定労働日数と勤続年数で決まる「比例付与」の表に当てはめます。
最初の分かれ目は、日数ではなく週の所定労働時間です。ここ、意外と見落とされがちなんです。週4日でも1日8時間なら週32時間。この方は比例付与ではなく、正社員と同じ日数になります。
比例付与になるのは、週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下(週以外の期間で日数を決めている場合は、年間216日以下)の方です。日数は次の表のとおりです。
| 週の所定日数(年間) | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 正社員と同じ(週30時間以上または週5日以上) | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
| 週4日(169〜216日) | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 週3日(121〜168日) | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 週2日(73〜120日) | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 週1日(48〜72日) | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
表で迷ったら、「まず週30時間、次に週の日数、最後に勤続年数」——この合言葉の順番で見てください。
週5日以上(年217日以上)働く方は、1日の時間が短くても比例付与の対象外で、正社員と同じ日数です。たとえば1日4時間×週5日のパートさんは、入社6か月で10日になります。
シフト制で週の日数がバラバラなときはどう数える?
年間の所定労働日数で表に当てはめます。契約で日数が決まっていない場合は、過去の勤務実績から1年分の日数を見込んで判断します。
「週2日の週もあれば、週4日の週もある」——シフト制のパートさんだと、結局週何日なのか、はっきりしませんよね。そんなときは、表のかっこ内にある「年間の所定労働日数」を使います。
契約で「月○日程度」などと決まっていれば、それを1年分に直して当てはめます。決まっていない場合は、直近の勤務実績から1年分の日数を見込んで判断するのが、実務での考え方です。
もうひとつ大事なのが、付与日数は付与する日(基準日)の時点の契約で決まるということ。入社時は週2日だった方が、5か月目から週4日に増えたら、6か月の基準日には週4日の欄で付与します。反対に、付与したあとで日数が変わっても、すでに付与した日数はそのままです。
シフト制の方こそ、雇用契約書(労働条件通知書)に「週○日程度」の目安を書いておいてくださいね。判断がぶれなくなります。
年5日の取得義務はパートさんにもかかる?
その年に10日以上付与されるパートさんは対象です。比例付与でも、週4日なら勤続3年6か月、週3日なら5年6か月で10日に届きます。
年10日以上の有給が付与される方には、付与日から1年以内に5日を取得させることが会社の義務になっています。「パートさんには関係ない」と思われがちですが、表をもう一度見てみてください。
週4日のパートさんは勤続3年6か月で10日、週3日のパートさんは5年6か月で10日。長く働いてくれているパートさんほど、いつの間にか対象になっているんです。週30時間以上や週5日の方は、最初の6か月の時点から対象です。
長く勤めるパートさんが、知らないうちに対象になっている
比例付与の日数は勤続年数とともに増えます。毎年の基準日に付与日数を確認して、10日に届いた方を取得義務の対象者リストに加える習慣をつけましょう。
年次有給休暇管理簿をつけていない
有給を与えたら、基準日・日数・取得した時季を記録した「年次有給休暇管理簿」を作り、5年間(当分の間は3年間)保存する必要があります。年5日の取得義務に違反した場合は、罰則の定めもあります。
有給を取った日のお給料はいくら払う?
①平均賃金、②所定労働時間働いた場合の通常の賃金、③労使協定による標準報酬月額の30分の1相当額、のいずれかを就業規則などで決めて支払います。
時給のパートさんの場合、いちばん分かりやすいのは②の「通常の賃金」です。その日に予定されていた所定労働時間×時給で計算します。
計算例(②通常の賃金の場合)
時給1,200円、その日のシフトが5時間のパートさんが有給を取得
→ 1,200円×5時間=6,000円
3つのうちどれを使うかは会社が決められますが、人や月によって都合よく使い分けることはできません。就業規則(作っていない場合は雇用契約書など)に計算方法を書いて、毎回同じ方法で支払いましょう。有給を取った日を欠勤のように扱って減額することも、もちろんできないので注意してくださいね。
今日やることチェックリスト
パートさん全員の週の所定労働時間・日数と勤続年数を一覧にして、付与日数と年5日の対象者を確認するところから始めましょう。
- パートさん全員の週の所定労働時間・所定労働日数・入社日を一覧にする
- 週30時間未満かつ週4日以下の方を、比例付与の表に当てはめる
- 次の基準日(入社6か月後、以降1年ごと)をカレンダーに登録する
- 10日以上付与された方を、年5日取得義務の対象者リストに入れる
- 年次有給休暇管理簿と、有給の日の賃金の計算方法を就業規則などで確認する
よくある質問
契約の途中で週3日から週5日に変わったら、有給の日数はどうなりますか?
すでに付与した日数はそのままで、次の基準日に、その時点の契約(週5日)で日数を決めて付与します。勤続年数はパートの期間も通算して数えます。契約変更のタイミングと基準日を、あわせて確認しておいてくださいね。
使わなかった有給は、翌年に繰り越せますか?
繰り越せます。有給休暇の請求権は2年で時効となるため、その年に使わなかった日数は翌年度まで持ち越せます。パートさんも正社員と同じ扱いです。管理簿で繰越分と新規付与分を分けて管理すると分かりやすいですよ。
学生アルバイトにも有給休暇を与える必要がありますか?
必要です。6か月の継続勤務と8割以上の出勤という要件を満たせば、学生アルバイトにも有給休暇が発生します。日数はパートさんと同じく、週の所定労働時間・日数に応じて比例付与の表で決まります。
パートさんから有給を取りたいと言われたら、断ることはできますか?
原則として断れません。会社ができるのは、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合に、別の日に変えてもらう「時季変更」までです。取得そのものを認めないことはできないので、シフトの調整で対応してくださいね。
まとめ:「まず週30時間、次に週の日数、最後に勤続年数」
パートさんの有給は、週30時間以上なら正社員と同じ日数、30時間未満かつ週4日以下なら比例付与です。10日以上付与される方は年5日の取得義務の対象です。
有給の日数をきちんと伝えることは、長く働いてくれるパートさんへの信頼のしるしでもあります。まずは一覧表を作るところから。一つずつで大丈夫です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
パートさんの有給管理、お手伝いします
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出典・参考(一次情報)
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※本記事は2026年11月8日時点の法令・公表情報に基づいています。個別の判断は専門家にご確認ください。

