9月から社会保険料が変わるのは
いつの給与から?
定時決定・翌月控除・当月控除/小規模法人の給与計算実務
新しい保険料は「9月分」から適用。翌月控除の会社は10月支給給与から、当月控除の会社は9月支給給与から控除額が変わります。
9月分の保険料は、いつの給与から控除する?
自社が「翌月控除」か「当月控除」か、これだけで答えが変わります。
翌月控除(一般的)
10月に支給する給与から新しい保険料。
末締め翌月25日払いなら10月25日支給分。
当月控除
9月に支給する給与から新しい保険料。
同じ条件なら9月25日支給分。
翌月控除とは、その月分の保険料を翌月の給与から差し引く方法です。健康保険法・厚生年金保険法では前月分を控除できると定められており、実務では翌月控除が主流です。
確認方法
入社月の給与で保険料が引かれていなければ翌月控除、引かれていれば当月控除です。給与規程か過去の給与明細で一度必ず確認してください。ここを取り違えると1か月分の過不足が残ります。
なぜ9月から変わるのか?(定時決定の仕組み)
定時決定とは、毎年1回、社会保険料の計算基礎となる標準報酬月額を見直す手続きです。
4月・5月・6月に
支払った報酬を平均
算定基礎届を
7月10日までに提出
9月分から翌年8月分
まで適用
7月に提出した届出の結果が反映されるのが9月分です。日本年金機構からは9月中旬から下旬にかけて「標準報酬決定通知書」が届きます。
報酬に含めるもの・含めないもの
含める
基本給、残業手当、通勤手当、役職手当、家族手当、住宅手当、年4回以上支給される賞与
含めない
年3回以下の賞与(別途「賞与支払届」で処理)、慶弔見舞金、出張旅費
通知書が届いたら、何を確認する?
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 等級の変化 | 昨年から等級が上がった人・下がった人を一覧化する |
| 対象者の漏れ | 4〜6月に入社した従業員が正しく処理されているか |
| 介護保険料 | 40歳に到達した従業員に加算されているか(40歳の誕生日の前日が属する月から徴収開始) |
| ソフト反映 | 等級を手入力する給与ソフトでは更新漏れが最も多い |
小規模法人がつまずきやすい3つのポイント
控除方式を勘違いして1か月ズレる
翌月控除なのに9月支給分から新料額を適用してしまうケース。年間で1か月分の過不足が残り、年末調整や退職時の精算で発覚します。
4〜6月の残業増で等級が上がったことに気づかない
繁忙期が4〜6月にある会社は残業手当で標準報酬月額が上がります。従業員の手取りが減るため、事前に一言伝えるだけでトラブルを防げます。
「従業員が少ないから簡易でよい」と考える
定時決定に会社規模の例外はありません。専任担当者がいない会社ほど、給与計算前のチェックリスト運用が有効です。
今日やること(チェックリスト)
- 自社が翌月控除か当月控除かを給与明細で確認する
- 標準報酬決定通知書の到着予定(9月中旬〜下旬)をカレンダーに入れる
- 等級が2段階以上上がる見込みの従業員を洗い出す
- 給与ソフトの標準報酬月額を更新する担当者と期限を決める
- 40歳・65歳・70歳・75歳に到達する従業員をリスト化する
よくある質問
4〜6月に残業が多かった場合、1年間ずっと高い保険料のままですか?
原則として翌年8月分まで続きます。ただし、基本給や固定手当などの固定的賃金が変動し、その後3か月の平均で2等級以上の差が出た場合は「月額変更届」による随時改定が可能です。残業代だけの増減では随時改定はできません。
厚生年金保険料率も9月に変わりますか?
厚生年金保険の保険料率は18.3%で固定されており、9月の改定はありません。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに毎年見直され、3月分(4月納付分)から変わります。9月に変わるのは標準報酬月額のほうです。
6月に入社した従業員は定時決定の対象ですか?
6月1日から7月1日までの間に被保険者になった方は、その年の算定基礎届の対象外です。入社時の資格取得時決定で決まった標準報酬月額が、翌年8月分まで使われます。
保険料の端数はどう処理しますか?
給与から控除する際、被保険者負担分に1円未満の端数が出た場合は、50銭以下を切り捨て、50銭超を切り上げます。労使で異なる取り扱いを定めた特約がある場合はそれに従います。
この記事のまとめ
・新しい社会保険料の適用開始は「9月分」
・実際に控除額が変わる給与は、翌月控除なら10月支給分、当月控除なら9月支給分
・通知書は9月中旬〜下旬に到着。等級変更者と40歳到達者を必ず確認
「うちは翌月控除か当月控除か分からない」「等級が上がった従業員への説明に困っている」といったご相談も承っています。給与計算・社会保険手続きのことは{{事務所名}}までお気軽にお問い合わせください。
監修:{{監修者名}}(社会保険労務士)/最終更新日:2026年8月5日
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の事案については必ず専門家にご確認ください。
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