【第4回】実践編②:社会保険の新規適用手続き - 恐怖の「5日以内」ルールを完全攻略!
公開日: 2025年6月19日
はじめに:最後の関門「社会保険」と、最も厳しい「5日以内」の壁
これまでのシリーズで、あなたは労働保険の手続きをマスターしました。本当にお疲れ様でした。しかし、私たちの旅には、最後の、そして最大の関門が残されています。それが**社会保険(健康保険・厚生年金保険)**の手続きです。
社会保険手続きを特別なものにしているのが、その圧倒的に厳しい提出期限です。**「事実発生から5日以内」**。この超短期決戦を制してこそ、あなたの会社は真に法令を遵守する、信頼される雇用主となることができます。
今回のゴール
この記事を読み終える頃には、あなたは「5日ルール」の意味を完全に理解し、保険料計算の要である「標準報酬月額」を自ら算出し、年金事務所へ提出する書類を自信を持って準備できるようになります。さあ、最後のステップを一緒に乗り越えましょう!
社会保険手続きの全体像:ワンストップ決戦の「年金事務所」
労働保険が「労働基準監督署→ハローワーク」というリレー形式だったのに対し、社会保険の手続きはシンプルです。目的地はただ一つ、あなたの会社の所在地を管轄する**年金事務所**(または事務センター)です。
ここで、以下の3つの重要書類を、原則として**同時に**提出します。
- 健康保険・厚生年金保険 新規適用届:会社全体を社会保険に加入させるための書類。
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届:従業員個人を社会保険に加入させるための書類。
- 健康保険 被扶養者(異動)届:従業員に扶養家族がいる場合に必要な書類。
期限は、法人を設立した日や、個人事業で加入義務が発生した日など、**「事実発生から5日以内」**です。この「5日」には土日祝日も含まれるため、実質的な準備期間はさらに短くなります。会社設立の登記申請と並行して準備を進めるのが成功の鍵です。
【インタラクティブ】標準報酬月額かんたんシミュレーター
社会保険の手続きで初心者が最も戸惑うのが、保険料の基準となる「標準報酬月額」の計算です。これは、毎月の給与(報酬)を一定の区切り(等級)に当てはめたもので、この等級によって毎月の保険料が決まります。
以下のツールであなたの会社が支払う給与を入力し、保険料がどのように決まるのかを体験してみましょう。
標準報酬月額&保険料シミュレーター
従業員に支払う月々の給与項目を円単位で入力してください。
【シミュレーション結果】
※この計算は、東京都・協会けんぽ・40歳未満の従業員を想定した2025年度の概算値です。実際の保険料は、都道府県や年齢、年度によって異なります。
手続き完了!従業員に「安心」を届けよう
年金事務所での手続きが無事に受理されると、後日、以下の重要書類が会社に届きます。
- 健康保険・厚生年金保険新規適用通知書:会社が正式に適用事業所となったことの証明書です。大切に保管してください。
- 健康保険被保険者証(保険証):従業員とその家族が心待ちにしている保険証です。届き次第、速やかに本人に手渡しましょう。これが従業員にとって最も実感の湧く「安心の証」となります。
🎉 全手続き完了、おめでとうございます! 🎉
あなたは今、従業員を雇用する際に必要な公的手続きのすべてを完了しました。
これにより、あなたの会社は法令を遵守する信頼される雇用主となり、従業員は安心してその能力を発揮できる環境が整いました。これは、あなたの事業が持続的に成長していくための、何よりも強固な土台です。
ここからが、本当のスタートです。素晴らしいチームと共に、あなたの事業を大きく飛躍させてください!